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Googleからもクライアントからも評価される投資記事を書く方法【前編】

新NISAの盛り上がりや政府の資産運用立国プランによって、各メディアで投資に関する記事が増えています。「投資記事の依頼がきたけど、書き方がわからない」と悩んでいる人もいるのでは?

本記事では、金融機関から金融系メディアまで複数の媒体で書く商業ライターが、検索エンジンやクライアントに評価されるために心がけている投資記事の要領を紹介します。

内容は私自身の主観であり、評価を保証するものではありません。それでも、投資記事を書く人ができる限り応用しやすい形で、私が大切に思うポイントをまとめました。参考になれば幸いです。

今回は前編として、評価される投資記事とは何かを定義します。さっそくいきましょう。

服部ゆい
服部ゆい
ライター/ディレクター

2018年よりフリーライターとして活動中。 主に不動産・金融・ビジネス領域の取材・執筆・監修を行う

検索エンジンとクライアントに評価される投資記事とは何か

検索エンジンをGoogle、クライアントをWebメディアの運営者・発注者とする場合、ユーザーにとって有益かつ質の高い記事であることは大前提です。

では、そのうえで評価される投資記事とは何でしょうか。解釈は人それぞれですが、私は以下の要素を満たすものだと定義しています。

  1. 各種法令に準拠し、正確な情報に基づいている
  2. E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が担保されている
  3. メディアの目的に合致している
  4. ユーザーの投資経験や知識レベルに適した難度で書かれている

以下で、理由を解説していきます。

1.各種法令に準拠し、正確な情報に基づいている

投資性のある金融商品は、金融商品取引法や金融商品販売法といった種々の法律に抵触します。書き方一つでグレーな行為になることもあるため、書き手には高いコンプラ意識が求められます。

我々は自然と寄稿依頼がくるカリスマ投資家ではなく、クライアントがあって仕事が成り立つ商業ライター。不正確な情報や法律に反する投資情報を書けば、クライアントの社会的信用を低下させてしまいます。これは評価どころではありません。

また、Googleも不正行為や不適切なコンテンツを厳しく取り締まっています。実際にGoogleは違反行為が疑われるサイトに関するリクエストを精査し、2023年上半期だけで約38万件ものURLをインデックスから削除*しました。

加えてGoogleは、メディアが各種プラットフォームや他のサイトなどで受けている評判も間接的に重視しています。不正確な情報が散見されるメディアは各レビューサイトでも散々な評判となるでしょう。結果として、Googleからの評価も得られません。

したがって、コンプライアンスと正確性はクライアントやGoogleから低評価を受けないための必須事項です。

【参考:Googleプロダクトポリシーセンター「Google全体でのポリシーの詳細」】

 

2.E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が担保されている

Googleは、人々のお金や人生に影響を与える領域(YMYL領域)において「E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視する」と述べています。

【参考:Google検索セントラル「E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて」】

Googleの検索品質評価ガイドラインによると、E-E-A-Tとは経験、専門性、権威性、信頼性の4つ。この4つの指標について、私は以下のように解釈しています。

【投資記事における.E-E-A-T】

  • 経験(Experience):作り手の直接の体験

   ∟書き手に投資経験がある、または投資家・専門家に取材している

  • 専門性(Expertise):作り手の専門知識

∟書き手や取材対象者、監修者に投資関連の資格やキャリア、知識がある。信頼できる情報源や専門家に取材、または情報を参考にしている

  • 権威性(Authoritativeness):作り手、またはサイトの権威性

∟公的機関など社会的評価が高いサイト、または社会的評価が高いサイトからの被リンクがある。その分野において著名な専門家・団体が運営・監修している

  • 信頼性(Trustworthiness):正確で安全、信頼できる

最新の情報に基づいていて、客観的で偏りがない情報・知識がある。ユーザーの利益を第一に考えられていて、信頼できる

上記のうち、Googleは「中でも、信頼性は最も重要なものです」と述べています。

実際に投資関連のキーワードを検索すると、公的機関や金融機関など、いわゆる信頼性の高い(ドメインパワーが強い)サイトが表示結果の上位を独占している状態です。この状態で投資記事を書いて評価を受けるには、E-E-A-Tの担保が欠かせません。

▼E-E-A-Tについての公式見解がわかる資料はこちら▼

 

3.メディアの目的に合致している

Webメディアを持つクライアントにとって、多くの場合、記事制作の目的はユーザーをメディアに集客すること。ただし、集客の先にあるゴール設定は各社のビジネスモデルによって違います。

たとえば大手金融機関の記事制作では、ブランディングや認知度向上をゴールに設定しているケースがほとんど。記事内で個別の金融商品やサービスに誘導すると各種法律に抵触し、文章の規制が厳しくなるからです。そのため一般の商業ライターにコンバージョンが求められる記事の依頼がくることは少なく、正確性や信頼性の高さを求められるケースが大半です。

一方で金融系アフィリエイトメディアの記事制作は、ユーザーを記事内の広告に遷移させることがゴールです。アフィリエイト広告のクリックやクリック後の口座開設・資料請求など、何かしらのコンバージョンにつながる記事が求められます。

もちろん、商業ライターの仕事は依頼内容に沿って記事を書くこと。ですが究極的には、記事によってメディアを少しでもゴールに近づけることが仕事です。したがって、メディアの目的に合致する記事を書くことは、クライアントからの評価を得る重要ポイントです。

 

4.ユーザーの投資経験や知識レベルに適した難度で書かれている

「新NISAって何?」という初心者向け記事から「日本の株式市場の展望は?」という株式トレーダー向け記事まで、ひと口に投資記事といっても内容はさまざまです。

説明なしで「ボラティリティリスクが高い」「上値が重い」の表現が伝わるユーザーがいる一方で、日経平均やインデックス投資の説明が必要なユーザーもいます。そのため、ユーザーの投資経験や知識レベルにあわせて記事の難度を調整しなければなりません。

誤解を与えないように言葉の正確性を保ちつつ、ユーザーにあわせて専門用語を適切な表現に変換する。Googleのいうユーザー第一のコンテンツ作りに欠かせない作業であり、クライアントからも評価される要素ではないでしょうか。

次回の後編ではこの定義にそった投資記事を実際に書くための要領を解説していきます。お楽しみに!

 

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