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人材系記事と転職系記事は両方経験すべし!初心者ライター向けノウハウ

「人材系のライターまたは転職系ライターとして活躍したい」と考えているのなら、「人材系と転職系どちらの記事も書いてみる」のがおすすめです。ライターの仕事の醍醐味は、携わった分野にちょっとだけ詳しくなれること。人材系と転職系は関連深い分野のため、この「詳しくなる」ことが大いに役立ちます。

この記事は、人材系・転職系記事を「たくさん書いたなぁ」と思い返している筆者が、あくまで主観で書くものです。もっと読み手に伝わる内容を盛り込みたいと悩んでいる、人材系・転職系ライターのご参考になれば。

筆弓あかり
筆弓あかり
美容・転職ライター/ディレクター

派遣化粧品販売員として全国の店舗をまわったのち、メーカー美容部員を経てWebライターへ。同時に制作会社にてディレクター業務を経験。10,000人以上のお客さまにカウンセリングを行った経験から、丁寧なペルソナ設定とカスタマージャーニーに基づいたCVにつなげる記事の作成を得意とする。

まず押さえておきたい「クライアントの目的」「読み手の目的」

記事を制作する目的には「クライアントの目的」と「読み手の目的」があります。ものすごくざっくりとした例を挙げると以下のような感じ。

クライアントの目的・・・CVさせる、商品やサービスを認知してもらう
読み手の目的・・・知りたかったことがわかる、悩みが解決して次の行動に移れる

クライアントの目的を達成するためには、検索上位に表示させるためのSEOを意識した記事作りが必要。読み手の目的を達成させるためには、悩みや問題を解決するための具体的な内容が必要です。

今回この記事で紹介するのは、読み手の目的である「悩みや問題を解決するための内容」についてです。ふわっとゆるい内容で終わらせるか、具体的で実際に使える内容を伝えるかはライター次第。どちらが読み手にとって本当に役立つかは、明白ですよね。

人材系記事の特徴を覚えておこう

人材採用記事のターゲットは、主に採用担当者など人事のプロ。実務に役立つ採用戦略や新卒、転職者のトレンド情報などを提供する内容の記事が多い傾向です。人口の減少による単純な生産人口減により、良い人材、長く働いてくれる人材を見つけ採用することは企業にとって喫緊の課題ですから、採用担当者に対するプレッシャーも大きなものです。

さらに採用後短期間で辞めてしまういわゆるミスマッチが起きないよう、慎重に選考することが求められますが、そのためには採用ノウハウだけでなく「求職者が職場に何を望んでいるか」を知ることも大切になってきます。求職者の背景がわかれば、採用後のオンボーディングにおける取り組みにも活かせますからね。こうした採用担当者の悩みを少しでも解決に導くのが、人材系記事の役割です。

転職系記事の特徴を覚えておこう

転職系記事のターゲットは、「今の職場で続けていくか悩んでいる方」「キャリアアップのための転職を考えている方」などです。記事は転職サイトに誘導する、いわゆるアフィリエイト記事が多く、内容は転職サイトの紹介や転職ノウハウなど。さらに専門分野の転職事情やどんな職業が向いているかなど、転職周辺の内容の記事は網羅的に存在しているといえます。

ちなみに転職系分野はWeb記事の中でも一二を争うレッドオーシャン。アフィリエイト収入を目的としている競合同士がせめぎ合っている状態です。そのため転職系記事には検索上位表示を狙うためのSEOの知識や、CVにつながるセールスライティングに近い文章力が書かせません。そのうえで「他のサイトの記事よりこの記事を読んでよかった、役に立った」と読み手に思ってもらえる、具体性のある記事の作成が求められます。

人材系ライターが転職記事を書くメリット、転職系ライターが人材記事を書くメリット

人材系と転職系のライターが双方の記事を書く、とお互いの意図を知った上での少し掘り下げた内容を書けるメリットがあります。簡単な例をもとに解説していきましょう。

例えば人材採用がうまくいかない理由として、「求める人物像が明確でない」という内容はよく書かれます。これに対する対策としては、以下のように人物像を具体化することが有効と提案するでしょう。

「うちの会社を成長させるために○○なスキルを持った人物が欲しい」
「このチームに所属して欲しいから、ハキハキとした体育会系の人物が欲しい」
「リーダー候補として〇〇の経験が3年以上ある人物が欲しい」

でもこれ、転職希望者がそのまま欲しい情報でもありますよね。そこでこの内容を転職者向けのアドバイスにしてみましょう。

「うちの会社を成長させるために○○なスキルを持った人物が欲しい」
⇒⇒「〇〇のスキルを持っているので、会社の事業の発展に役立てる。例えばこのようなプロジェクトを考えている」など、入社してからスキルを活用して何をしたいかまで伝えることが大切。

 

「このチームに所属して欲しいから、ハキハキとした体育会系の人物が欲しい」
⇒⇒「学生時代スポーツをやっていたのでタフで我慢強さがある」「チームで協力しながら取り組むのが得意」など具体的なパーソナリティを伝えることで、企業側は欲しい人物像と比較しやすくなる。入社してからの「こんなはずじゃなかった」を防げる。

 

「リーダー候補として〇〇の経験が3年以上ある人物が欲しい」
⇒⇒「リーダー経験がある場合は、内容をできるだけ詳しく説明する。マネジメントで心がけていたこと、チームで出した成果の内容、問題が発生したときにどのように解決したかなど、そのときの心情や具体的な数字なども交えてアピールすることが大切。

人材採用記事からヒントが見つかり、転職記事に応用することができました。転職系ライターが人材記事を書く場合も同じです。転職者へのアドバイスから、採用担当者が押さえておくべき点が見つかることがあります。

このように人材系と採用系どちらの記事も書くことで、「これは転職者に役立ちそう」「これを伝えれば採用担当者のヒントになるかも」といったことがたくさん見つかります。「独自性」というと少し大げさですが、読み手に役立つあなただけの記事が書けるはずです。

複数の分野に関わることは、きっと未来でつながる

私はさまざまな記事を書いてきましたが、今は美容と転職を主軸としています。何かに特化するとアピールはしやすいんですよ。「元美容部員でこれこれこんな美容記事を書いています」って言えば、「ああ、美容系は得意なんだな」って説得力だけはありますからね。

でもひとつの分野ばかり書いていると、視野はせまくなるかなと思います。少しでも多くの分野に関わっておくと、明日明後日じゃなくてもいつかの未来でつながって役に立つことがあるはずです。知識が組み合わさることでイノベーションが生まれる、なんてビジネス分野ではいわれますが、ライティングもしかりなのかな、と。

人材系と転職系はとても距離の近い分野なので、二つのつながりを見つけやすいですよね。なのでぜひ積極的に両方の分野に関わってみてください。そしてその先ではもっといろいろな記事を書いて、自分の糧にしていってくださいね。

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