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未経験ジャンルの執筆でエンドクライアントを唸らせる方法9個【執筆編】

未経験ジャンルを任されたとき、「結果を出して自分の得意ジャンルにしたい」、「エンドクライアントを唸らせたい」と思うのであれば、それなりに努力が必要です。事前調査から納品までの段階ごとにポイントを押さえることで、未経験ジャンルでも高評価を得ることが可能です。

前回は、「未経験ジャンルの執筆でエンドクライアントを唸らせる方法」の「調査編」をお伝えしました。今回は、「執筆編」を解説していきます。

加藤 良大
専門記事ライター/ディレクター

歴12年フリーライター。医療・美容・法律・不動産・IT・人事労務を中心に26,000本以上を執筆。Webライティング・ホワイトペーパー・電子書籍・Webサイトの記事コンテンツを中心に常時20社以上と契約。エンドクライアントである専門家からも高評価を得ている。

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方法5:無駄がない・正確・短時間で情報を入手できる記事を書く

知識がないジャンルを書く場合、余計な情報を盛り込みがちです。知見がある分野であれば、「この情報は伝えるべき」「この前提情報は不要」「このターゲットにはこの情報が必要」など、適切な判断ができます。しかし、知識がないジャンルでは、不要な前提情報を細かく書きすぎたり、情報が不正確であったりすることがあります。

このような記事は、執筆の基本ができていないと見なされ、評価が大きく下がることになりかねません。また、「〇〇ということがわかりました。それでは〇〇の場合はどうなのでしょうか」といったクッション的な文章も避けることをおすすめします。

もちろん、メディアの色やクライアントの好みにもよりますが、SEO記事では読者がいかに短時間で正確な情報を得られるかが重要なため、このようなクッション的な文章は不要なことが多いでしょう。

また、読者が自分が知りたい見出しに飛んで、そこだけ読んで離脱することも多々あります。そのため、クッション的な文章を入れるのではなく、その部分を読むだけで必要な情報がスッと頭に入ってくる文章を書くことが大切です。

良い例
「住宅ローンの金利タイプには、固定金利型と変動金利型があります。固定金利型は、契約時に決めた金利が返済期間中ずっと変わらないのに対し、変動金利型は市場金利の動向によって金利が変動します。」
※上記の後に具体例を挙げる

悪い例
「住宅ローンにはいくつかの種類があります。まず、住宅ローンとは何かを簡単に説明します。住宅ローンは、家を購入する際に利用されるローンのことです。それでは、住宅ローンの金利タイプにはどのような種類があるのでしょうか?次に、それぞれのタイプを詳しく見ていきましょう。」
※上記は、住宅ローンの説明も中途半端で抽象的

悪い例については、中見出しの導入文として記載するならば問題ありません。しかし、金利の説明の見出しに住宅ローンの前提情報は不要です。

方法6:文体を読者に合わせる

文体に関しては、読者層に合ったスタイルを選ぶことが求められます。たとえば、ビジネス向けの内容であれば、フォーマルな文体が適している一方で、美容やライフスタイルに関する記事では親しみやすく柔らかい表現が求められる傾向があります。

ただし、メディアによって方針が異なるため、既存記事を確認したうえでクライアントに確認しておきましょう。

文体がメディアに合わないと、「なんか違う」「このライターさんはうちのメディアに合わない」と思われかねません。指示どおりに文体を書き分けるスキルがあるのに、確認を怠って書き進めた結果、このようなイメージを持たれるのは損です。

未経験ジャンルならなおさら「やっぱり未経験の人に任せない方がいいな」と思われやすいので注意しましょう。


方法7:グラフや図を活用する

売上推移、複数の施策による結果の違いなどを示すとき、文字だけではわかりづらいので、グラフや図を活用している方もいるでしょう。

未経験ジャンルだとグラフや図を活用する余裕がないかもしれませんが、エンドクライアントを唸らせるためにも頑張って活用しましょう。

下記のようなグラフなら、Googleドキュメントでも簡単に作成できます。下記は仮で項目を入力したものですが、2分で作成できました。正しい項目を打ち込むのに5分もかからないでしょう。

図の下に解説文を入れると、より価値が高い記事になります。

たとえば、上記のグラフの場合は「これは、2021年から2024年にかけて施策Aを実施したケースと施策Bを実施したケースの成長度を比較したグラフです。施策Aは一貫して緩やかな成長を続けており、2024年には2021年の約4倍に達しています。一方、施策Bは2022年から急激に伸び、2024年には施策Aを上回る成果を上げています。特に、2023年以降の伸びが顕著ですが、これは〇〇の影響を受けたものと考えられます。」

こういうイメージです。なお、解説文を書くときは根拠を示すことが大切です。今回のケースだと、2023年以降の伸びが顕著な理由として「〇〇の影響」としているので、〇〇が影響を及ぼすことがわかるデータを簡単に示すとよいでしょう。

方法8:最終チェックを徹底

「自分は品質が高い記事を書ける」「未経験ジャンルでも大丈夫だろう」

こういう気持ちで作成・提出した記事は100%たくさんのFBをもらいます。最終チェックの徹底は当たり前のことではありますが、未経験ジャンルはしっかりと粗探しをしましょう。「えっ、本当に未経験ジャンルも書けるんですね、すごいですね」と言われてニヤける自分を想像して、頑張ってチェックしてください。

本当は、そのジャンルに精通した人に1回読んでもらった方がよいのですが、もろもろ契約の関係から難しいと思うので、ネット上の類似記事と比較してみるとよいでしょう。

そもそも、未経験ジャンルなのに相談されたということは、「他に書けそうな人がいない」「あなたなら未経験ジャンルでもうまく仕上げてくれそう」ということです。

その時点で、エンドクライアントは「そのジャンルに精通したライターでなくとも、記事のクオリティに問題がなければ良い」と考えている可能性があります。言い換えれば、クオリティさえ良ければ継続してもらえるということです(他にも判断基準はある)。これは、とても美味しいことだと考えましょう。

そんな美味しい案件を逃さないためにも、最終チェックは怠らないことが大切です。

方法9:クライアントからのFBを受け入れる

クライアントからのFBはすべて受け入れて、そのジャンルに精通したライターになれるように努めましょう。

未経験ジャンルで継続案件をもらえるかどうかは、「エンドクライアントが求めるクオリティ」と「実際のクオリティ」の差異で決まります。1回目が良くても2回目が悪ければ、その時点で契約終了になることもあります。

3回目、4回目と依頼が続いていても、ある日突然「これまで改善を期待して依頼を続けてきましたが、クオリティの低下が著しいので……」と連絡をいただくこともあります。

まれに「ライターは編集者に育ててもらおう」という言葉を目にしますが、編集者やエンドクライアントがライターを育てる義理はありません。育てるために依頼しているわけではなく、マーケティングの一環として記事を投稿して売上を増やすことが目的です。

そのため、いきなりクオリティの低下を理由に案件終了になったとしても文句は言えません。育ててほしいならば、低単価である代わりに育てるという考え方の会社もあるので、そういったところと契約するとよいでしょう。

誰もが最初は未経験です。今、あるジャンルで高品質な記事を書けるようになっているのならば、それは未経験ジャンルを依頼してくれたクライアントのおかげでもあります。

本記事で解説した内容は全部私の考えです。他にも色んな考え方があるでしょう。自分に合った考え方を取り入れて、チャンスをしっかりと掴んでください。

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